バ イア ス マ ニ ピュレ ータ・ホ ル ダ ー注目の研究

固体電池のためのリチウム界面のその場TEMプロービング

北米トヨタ研究所とペンシルバニア大学の研究者らは、ハミングバード・サイエンティフィックのその場TEM用バイアスマニピュレータ・ホルダーを用いて、空気に敏感なリチウム金属を新しい固体電解質に接触させ、リチウムの充放電サイクルにおける劣化機構を観察する実験を行いました。その結果、チオリン酸リチウム(LPS)電解質との反応により、リチウム金属にデンドライト(樹枝状突起)と剥離が発生することが確認されました。しかし、同じ電解質にヨウ化リチウムをドープすると、ドーパントが保護的な役割を果たし、このような劣化を防ぐことができる事が確認されました。これにより、リチウムサイクル容量が向上します。本ホルダーのその場TEM操作とバイアス機能は、ナノ構造電池材料の基礎的理解と微細構造の進化を加速し、より優れた電池を開発することを可能にします。

図: リチウム金属に対する固体LPS電解質のその場プロービングで、充放電サイクル中のリチウム樹枝状成長および剥離を示す。 

画像著作権 © 2020 米国化学会 

参考文献 Singh et al. Chem. Mater. 2020, 32, 17, 7150–7158.  DOI: 10.1021/acs.chemmater.9b05286